自閉症スペクトラム障害を持つ子どもの両親の、家庭における音楽の使い方に関する調査:家族の能力を構築育成することへの応用
DOI:
https://doi.org/10.15845/voices.v14i1.734キーワード:
families, capacity building, music therapy, early childhood intervention要旨
自閉症スペクトラム障害(ASD)などを持った就学前年齢の子どもたちは、子どもと家族双方への成果を支える家族中心アプローチが導入された早期介入サービスを受けるのが典型的である。家族中心アプローチには、子どもの発達をただちに、かつ将来的にも支援するための両親の能力を育成するという目的があるため、両親に多様なリソースを提供することとなる。こうしたリソースがその家族にとって適切で有益であるかのひとつの指標は、それが日常生活にいかにうまく組み込まれたかを検討することである。この研究は、別のより大きな研究の一環として音楽療法を受けている3-6歳のASDの子どもたちの11の家族を調査したもので、セッションで見聞きした音楽経験を、標準的一週間の間にどのように使ったかについてジャーナルをつけることが依頼された。これは、ASDの子どもたちの両親に、音楽経験に費やした時間を定量化することを求めた最初の研究である。その結果、ASDの子どもたちと関わるために、家族が合計中央値として週2.8時間、音楽を使うことができ、また使っていることが記録されていた。その平均合計時間は、歌うこと、歌ったり楽器を演奏すること、楽器で即興すること、音楽を聴くことの音楽体験の四つのカテゴリ-から成っていた。この中で歌うことと音楽を聴くことが最も多く行われ(それぞれが総時間の37%)、継続的に維持されていた。これらの結果は、音楽療法が、療法的音楽経験をその日常生活に組み込むよう家族を奨励することで、家族における能力の育成を助ける成功的方法となり得るという予備的裏付けを示している。将来的には家族中心実践に重要となる中心理念、とくに時間の経過と共に家族の音楽経験の使用がどのように変わるのかについて、さらに詳細な研究が必要であろう。Downloads
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出版済
2014-02-23
How to Cite
Thompson, G. A. (2014). 自閉症スペクトラム障害を持つ子どもの両親の、家庭における音楽の使い方に関する調査:家族の能力を構築育成することへの応用. Voices: A World Forum for Music Therapy, 14(1). https://doi.org/10.15845/voices.v14i1.734
巻号
セクション
Research Voices
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