貧困の中にある家族に取り組む音楽療法士の経験と視点:質的調査
DOI:
https://doi.org/10.15845/voices.v17i2.914キーワード:
貧困、ホームレス、音楽療法、インタビュー、テーマ分析要旨
貧困の中にある家族とのしごとに取り組む音楽療法士たちが存在する一方、この対象者領域に関する音楽療法についての文献はほとんど見あたらない。この研究の目的は、貧困の中にある家族とのしごとに取り組む有資格(board-certified)音楽療法士の経験と視点を理解することである。貧困の中にある家族を中心とする設定の音楽療法に、現在または過去に携わったことのある5人の有資格音楽療法士が、半構造化インタビューに参加した。参加者は、自分のインタビュー起こしを読み返してチェックしたのち、浮かび上がったテーマについてフィードバックを返した。インタビューは、浮かび上がったテーマに関して、テーマ分析の6段階(Braun & Clark, 2006)を用いて分析された。第二著者が単独で書き起こしを読み返し、コードとテーマを作成することによって、信頼性を確保した。貧困の中にある家族への音楽療法介入の使用に関して、次の4つのテーマが浮かび上がった。(a)音楽療法は、教育と相互やり取りを通して育児スキルの向上を促進する。(b)子供も大人も、音楽療法セッションで得られたスキルを日常生活へと般化する。(c)貧困と関連する要素や独特のストレス要因に気づくことは、療法のプロセスによい影響を与える。(d)音楽療法は、個人のニーズに見合った、幅広く連続性のある支援サービスを贈ることができる。総括すると、研究参加者たちは、音楽療法介入が、貧困の中にある家族の療法的ニーズを支えるために独自的な有益性を持つと考えている。音楽療法士は浮かび上がってきたこれらのテーマを適切に用いることでしごとを進める上での協力関係を高めることもできるし、社会で周縁化されているこの対象者領域へのサービスの新しい役割を作り出すことも可能だろう。実践における含意、限界、将来的な研究への提言が提示される。Downloads
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出版済
2017-05-16
How to Cite
Nagel, J. J., & Silverman, M. J. (2017). 貧困の中にある家族に取り組む音楽療法士の経験と視点:質的調査. Voices: A World Forum for Music Therapy, 17(2). https://doi.org/10.15845/voices.v17i2.914
巻号
セクション
Research
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