母親への移行段階における言葉に表せない体験(beyond_words)を、視覚的・演劇的なアートを通して描写する
DOI:
https://doi.org/10.15845/voices.v17i3.924キーワード:
アートセラピー、母親への移行、アートベース・リサーチ、ポートレイト要旨
この博士論文の目的は、アートベース・リサーチの方法を用いて、母になる移行期の段階にある初産婦の、言葉では表現しがたい経験を探求することである。初めて母になることに伴う具体的、感情的、感覚的な多面にわたる経験は、圧倒的で言葉に表すことが難しいもので、新たに母となる自分自身と子どもの関係の感じ取り方に大きな影響を及ぼす(Crossley, 2009; Lintott & Sander-Staudt, 2011; Prinds et al., 2014)。
母親への移行期における言葉を超えた経験は、初めて生じたもので生気あふれる多次元的な特質を持っているが、それに敬意を払い形あるものとして記録するために、本研究ではアートベース・リサーチの方法を用いこの現象を探求し描写した。言葉での表現は難しいためだ。アートベースで表現された結果は、5つのポートレートのシンセシス(合成作品)として示されている。最後のシンセシスは命を吹き込まれた4幕の演劇で演じられ、現代医療や健康科学に関する研究視点の幅広いコンテクストの中に位置する一方で、母親の言葉を超えた経験を生き生きと経験するよう観る人をいざなう。
最後のシンセシスは特徴的な演劇であるが、これは母親になるという言葉を超えた経験に、表現する手段と美的な力を与えることを目指している。本研究は、従来のアートベース・リサーチの原理に基づき(Leavy, 2009, 2015)、研究の厳格さと視覚/演劇芸術の美的な力とを密接に結びつけると同時に、母親になることに関する既存の仮定や思い込み、また文化的な固定観念に疑問を投げかけ、利害関係者に結果を広めている。Downloads
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