家庭内暴力の後の子どもたち、若者、そして家族との間の絆を強くする

摘要

家庭内暴力の経験は家族の力動に大きな影響を及ぼし、子ども達や若者が家族システムの中で愛情、期待、恐怖の複雑なサイクルに巻き込まれてしまうことがしばしば生じる。この文脈における研究では、共感的な大人や介護者といかに親密な関係を持つかが家庭内暴力を経験した子どもや若者を守る重要な要因であり、そのために家族と支援システムへの関与が研究作業の重要な部分であると強調されてきた。本稿では、家庭内暴力のために関係が崩壊してしまった後に、子ども達、若者、その非暴力の家族メンバーが関係を取り戻す方法として行った、創造的に作業をするコラボレーションアプローチについて検証する。筆者らの実践から事例を引用し、子ども達や若者の経験を表現するためにどのように音楽を使ったか説明する。このアプローチの目的は、子ども達に自分の話をさせ、内在するリソースを高め、生活の中で支持的な人々とのつながり強めるようサポートすることである。そして、家族との経験の文脈で聴かれる子どもや若者の声を擁護するために、音楽をどのように使うことができるかを示す。