「キリストの受難、嘆き、栄光」バロック音楽と現代の社会正義との共鳴

著者

  • Jane W. Davidson The University of Melbourne

DOI:

https://doi.org/10.15845/voices.v17i3.935

キーワード:

音楽パフォーマンス, パフォーマンス研究, 内省的実践

要旨

バロック音楽は、信仰心を刺激するのと同時に情熱を喚起する目的で作曲され演奏された。それには、強い感情開放を伴う演奏に並行して進められるプロセッション(行列して進みながらの祈り)のような演技的な宗教儀式が伴っている。現在進行中のプロジェクトの目的は、劇などの上演で語り継がれているEaster Passion and Resurrection(イースター、キリストの受難と復活)を中心に扱ったバロック作品の模倣的再演を通して、歴史上の情緒作用を再考することにある。またこのプロジェクトは、異なる宗教や文化的背景を持つことで居場所を追いやられ誤解を受けている人々に関連して、広い意味での社会正義的メッセージを伝えることも考慮して行われた。本論文中で、読者は2017年のイースターの直前にメルボルンにあるセント・ポール大聖堂で上演された”Passion, Lament, Glory(受難、嘆き、栄光)”をじっくりと味わうことができる。読者は、この作品の背景を分かち合い、また生の上演に対する観客の反応を読み取るよう促される。この反応は、感情移入、カタルシスの観点から考察されており、聴衆に対するパフォーマンスの成果と示唆されている。

Author Biography

Jane W. Davidson, The University of Melbourne

Melbourne Conservatorium of MuiscAssociate Dean Engagement and Partnerships,Professor of Creative and Performing Arts (Music)Deputy Director of the Australian Research Council's Centre of excellence for the History of Emotions.

出版済

2017-10-04

How to Cite

Davidson, J. W. (2017). 「キリストの受難、嘆き、栄光」バロック音楽と現代の社会正義との共鳴. Voices: A World Forum for Music Therapy, 17(3). https://doi.org/10.15845/voices.v17i3.935

巻号

セクション

Creating Space for Cultural and Religious Dialogues