音楽という親密な媒体を使うときの療法的バウンダリーに関する考察
DOI:
https://doi.org/10.15845/voices.v16i2.873キーワード:
療法的バウンダリー、音楽的親密さ、音楽療法要旨
療法的バウンダリーに関する伝統的な理解は、健康ケアの実践の幅広い領域を通じて共通する概念である。音楽と健康ケアのしごとに関わるたくさんの療法士たちも、その実践の倫理的行動を決定する際、これらの考え方を適用している。一部の療法士にとっては、こうした実践の方法が、今もきわめて適切であろう。しかしながら、より新しい療法モデルや、より現代的なコンテクストでしごとをしている療法士たち、例えばコミュニティ音楽療法などでは、バウンダリーに対してもっとずっと直観的で内省的なアプローチに価値を置いていよう。さらに、文化やコンテクスト、そして音楽のもつ力の影響もまた重要である。音楽の実践者たちは、人びととの音楽活動を通じて、つながりの力強い瞬間を経験している。音楽は親密で個人的な相互やりとりを誘発する媒体であり、それは、療法的バウンダリーというコンテクストにおいても考慮されなくてはならない。音楽的親密さという新しい用語は、人びとと音楽活動をする際の親密な性質や、そこに現れうる脆弱生に療法士達が気づく助けとなることだろう。また、それは、健康とウェルビーングのしごとにおいて音楽を使う際に示されるバウンダリーの複雑さについて模索・省察することへと、療法士たちを促すことだろう。Downloads
出版済
2016-04-04
How to Cite
Medcalf, L. (2016). 音楽という親密な媒体を使うときの療法的バウンダリーに関する考察. Voices: A World Forum for Music Therapy, 16(2). https://doi.org/10.15845/voices.v16i2.873
巻号
セクション
Position Papers
License
Articles published prior to 2019 are subject to the following license, see: https://voices.no/index.php/voices/copyright