精神力動的音楽療法
DOI:
https://doi.org/10.15845/voices.v16i2.882キーワード:
精神力動的音楽療法;転移; 逆転移;自由即興要旨
本論は、音楽療法における精神力動的アプローチの基本的原理を紹介し、模索する。音楽は、音楽療法に参加する個人の意識・無意識の両方、そして内的世界を探索する媒体として使われる。しかしながら療法の焦点は、療法的な関係、とくにクライエントと音楽療法士の間の転移と逆転移の力動に当てられている。音楽を聴くこと、歌、即興といった音楽的経験が、療法的プロセスをファシリテートし、その個人の療法目的を達成するために使われる。臨床的に適切であれば、言語的プロセシングが音楽的プロセシングと同等に重要な役割を果たすこともある。精神力動的アプローチの実践家は、療法的経験から意味や深い理解といったものを得るので、その個人的な問題について療法的関係の中で取り組むことに準備ができている者がふさわしい。音楽療法においても心理療法においてもいくつかのアプローチや技法が開発されてきた。そうしたアプローチの共通点とはただひとつ、精神力動的な考え方が療法や療法プロセスの方向づけに必要な情報を与えてくれるということだろう。クライエント、音楽療法士、そして音楽の三者関係が明確になっている臨床場面を紹介し、精神力動的音楽療法の主要的側面を例示したい。Downloads
出版済
2016-06-27
How to Cite
Kim, J. (2016). 精神力動的音楽療法. Voices: A World Forum for Music Therapy, 16(2). https://doi.org/10.15845/voices.v16i2.882
巻号
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