外的有益性か、内的有益性か:学校における音楽の価値を定義するために使われるカテゴリーへの異議
DOI:
https://doi.org/10.15845/voices.v16i2.875キーワード:
内的有益性;外的有益性;音楽教育;音楽的有益性;学校音楽要旨
ここ数十年、学校における音楽の価値を正当化するという圧力が高まるにつれ、その有益性に関する領域の三つの異なった構造が導かれてきた。すなわち、内的(あるいは音楽的)有益性、学問的及び・あるいは認知的発達に関する外的有益性、そして心理社会的ウェルビーングに関する外的有益性である。これらのカテゴリーは特定の価値領域の明確化に役立つという主張もある一方で、このセグメント化されたアプローチの正当化に異論を唱える者もある。この論争における最も熱い論点は、非音楽的(外的)有益性を擁護するようなカテゴリーが音楽的(内的)有益性の価値を低めることにつながってきたという受け止め方から派生しているが、一方、カテゴリーそのものに反論する向きもある。この意見は、とくに社会的・政治的要素との関連から、音楽的及び非音楽的要素としてカテゴリー分けされてきたものを分別する能力に疑問を投げかけている。本論の目的は、こうした既存のカテゴリーを実際的にときほぐし、そうすることによって形式と定義の双方からその硬直性への異議を唱えることである。そして、学校を基盤とする音楽の価値を別個のカテゴリーとして分離しようとするこうした試みは不明確であるばかりか、〔音楽の価値を〕擁護するという領域の力にはならないということを主張したい。音楽的参加は人間の経験をホリスティックかつ統合的な方法で豊かにする機会をもたらすものであり、カテゴリー分けすることはこのユニークな価値を排除することであるという前提で、この議論は展開される。Downloads
出版済
2016-04-04
How to Cite
Crooke, A. H. D. (2016). 外的有益性か、内的有益性か:学校における音楽の価値を定義するために使われるカテゴリーへの異議. Voices: A World Forum for Music Therapy, 16(2). https://doi.org/10.15845/voices.v16i2.875
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